そのままの君でいて
「なにが?」

愛恵は、母にも驚く。

「おかーさんまで、なによ?」

「いや、あんたも32?でしょ、。そろそろ子供作らないと~手遅れになる」

「まだ、わからないわよ」

「あら、結婚報告に来たんじゃないの?あんなに騒がせて…イヤだわ」

母は、勝手に話を続けた。

「夕飯さー、食べていきなさいよー」

「うん、そうする」

「愛恵さ、お願いがあるんだけど、お肉買ってきて。すき焼き用の牛肉、いつものお肉屋さん」

歩いて、10分くらいだ。

愛恵は、わかったといって、

「ジョー、私、お肉買ってくるから、留守番ね。わかった?」

母は、二人の会話を聞いて、笑いながら、

「あんたらさー、大人なんだから、しかも、留守番って…あーあー、若い子はいいわ~」

「おかーさんっ。もう、余計なこといわないでよ?すぐ帰るから」




「あー、うるさいのがいったー」

「おかーさん、おもしろいね」
ジョーは、

「何か手伝おうか?」

そんなジョーに、

「ジョーは、いつもそうしてるの?愛恵は、家の仕事してるの?」

「してるよ。マナエは料理上手~」

「ジョーもおてつだいしてるの?」

「デキルことはね」

「アイラブユーとかゆうの?」

「言うよ。愛してます」
「へぇー。あ。愛恵の昔の写真みる?」

「ミルミル」

2人は料理を中断して 愛恵の古いアルバムを開いた

「昔はかわいかったの。あのこ」

「えー?今もきれいだょー」

ページをめくる度に 母の解説。

「あ。これドクター?」「そう。康ちゃん。わかる?」
「うん。これは?」
康介 愛恵 もうひとりの少年。

「あぁ。これは。僚ちゃんねー。あー。ジョーをどこかで見たことあるなと思ったら、僚ちゃんに似てるわ…」

ジョーも 古ぼけた写真の中の 少年が 自分に 似ていると 少し 感じていた。

「うしろの方にもう少し大きくなってからの写真あるよ」


ジョーは アルバムをうしろからめくる…


真実が。


明らかになってきていた。
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