そのままの君でいて
その日は、愛恵にとって特別な日だった。

愛恵のデビュー8周年と誕生日を 記念して 夕方からパーティが企画されていた。

あの18歳での スキャンダル以来 彼女の才能は 開化したと、業界からは賞讃を浴びた。

数々の国内の映画 TV CMでの作品での賞を授賞。そして、遂には…。アメリカでのハリウッドデビューの話まで持ち上がっていた。

もちろん この間 僚介とは 出来る限り 連絡を取り合った。

離れている4年は、お互いを成長させてくれた。
ある日の電話で
「私ハリウッドが成功したら、そっちに住い移す。どう思う?」
「うん。もちろん賛成だよ。…」

僚介は、そもそもが 無口なタイプだったが

「どうしたの?反対?」愛恵は彼の 機嫌を損ねたのかと、聞き直す。 「まさか…反対の訳ないよ。いや。なんてゆうか…こういう順番だったんだなって。愛恵はすごいょ…。あの時無理矢理連れて来なくて良かった…」僚介は笑いながら言った。愛恵は
「そんなことない。私だけのチカラじゃないよ。離れていても、頑張ってる僚介を見ていて私も頑張ろうって…」

離れている4年の間に 年に1度は 再会していた…
時に 日本で。
時に アメリカで。

日本で会うより アメリカで 会う方が 気が楽だった。

そして、今日のこの記念すべき日。

朝一でアメリカから 小包が届いた。

もちろん 僚介からだった。中身は プラチナ台でダイヤ付で 見るからに 婚約指輪風…。

『愛恵へ

誕生日 オメデトウ。そして、こないだ聞いた ハリウッドの話も俺もワクワクしている。

一応 日付指定で送るけど アバウトな国だから ずれたりしてたらかっこわるいな…

今年~来年にかけて こっちの方も 一段落する。つぎ 会えるのを楽しみにしてるよ。

僚介
追伸 これは 仕送りでかってないからな 笑 』

僚介の照れながら話してる顔を思い出して、愛恵は幸せな気持ちになった。
< 13 / 136 >

この作品をシェア

pagetop