そのままの君でいて
―「お互いにどこに惹かれましたか」

愛恵は

「優しいのと、呑気なところですね。彼といると自分がいかに小さいことにこだわっているかわらっちゃいます。」

ジョーは
「全部」
喉が渇いたようで
用意されていたオレンジジュースを一気にのむと彼はむせた。

愛恵はだいじょぶ?

こんなところまで 全国ネットで流れているのに。

在り来たりの質問が交わされる。

もちろん。おんぼろ診療所でも 見ていた。

「あいつやっぱばかだな。ジュース一気してむせてる。ハハッ」

康介はジョーをうけていた。

「さっきの愛恵さんのセリフかっこよかったね…」
「まあ…たしかに。あいつにしたらおもちゃサイズだろうが。ジョー短期間で金ためたなぁ…すげぇよ」


―「どんな家庭をつくりたいですか?」

「ボクは明るくて楽しくて、早く家に帰りたくなるような家族になりたいですね」

「私もおなじです」


時間が迫る。
「えーでわ。さいごの質問とさせていただきます」

―「藤倉さんこの結婚を決めた理由を。ジョーさんは彼女の知名度を狙っての売名行為ではないですか?」


最低な質問だが。国民のほぼが知りたがっているのだろう。


「私はずっと思い続けていた人がいました。過去にも週刊誌などにお世話になりましたから…残念ながら、彼は、亡くなってます。その後もお付き合いをさせて頂いた方もいましたが、ピンとこなかっのでしょうね。亡くなった彼を思い出さない日はありませんでした。唯一…彼と生活をともにするようになって、亡くなった彼を思いださなくなれたんです。だから、かな…」


ジョーは
「ボクは少し前までアメリカにずっと住んでいたから愛恵のことは全然しらなかった。こっちで知り合った時も彼女はアクトレスだと言わなかった。売名行為をしてなにかしたいほど、ボクはビジネスに野心はない。幸せなファミリーを作るためには野心家かもしれない」


2人の答えに 会場からは 拍手が沸き起こった。

かくして、無事 記者会見は終了した…
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