そのままの君でいて
時差のため アメリカとは朝晩逆だったが 愛恵は 彼の声が聞きたいのとお礼を言いたくて 電話をした。

電話は留守電になった。
『愛恵です。指輪ありがとう。またかけるね。本当にありがとう。今日のパーティにつけてゆきます』

愛恵はメッセージを残す。そして、さっそく 指輪を左手の薬指にはめた。指輪のはなしなんか したこともなかったのに、指輪は ジャストサイズだった。

夕方まで、エステや美容室の予約が入っていた。
愛恵は 今日一日が ここ何年かで 最高の日になると 思っていた。


もちろん 誰もが そうおもっていた。
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