そのままの君でいて
「いつ帰って来たんだ?連絡くれれば迎え行ったのに」
「昨日ついたばかり。10日くらいしか居られないから…」
「何年ぶりだ?」
「多分2年は…会ってないと思う」
優は、青年海外協力隊の支援医師団で後進国の医療に志願している。
そもそも、2人が 別れる原因も 優とは そのことが 大きく関係していた。
医大生活を共に歩み その中で 恋愛に発展した。
康介が付き合ってきた 女たちの中で 唯一 「自分」の先にある 「愛恵」の存在のことを口に出さなかったのは、彼女だけかもしれない。
年に何度か 葉書や手紙が届く。
彼はそれらを見る度に 彼女の無事を確認して 安心した。
「相変わらずみたいだな」
彼女の手には アクセサリー類が一つもついていなかった。
「康介もみたいだね」
康介は、忙しくて 結婚なんかしても 離婚されちまう。と笑った。
「一人?」
「いや。…」
康介は、後を振り返る。
2人は相変わらず盛り上がっているようだ。
わざわざ 「帰る」なんて 野暮な事言わずに この場を出ても 問題なさそうだった。
「まあ。そんなかんじだ。…オマエは?」
「見ての通り」
「店、変えようか…」
康介は 優を連れ出すと 愛恵たちには何も言わずに店を出た。
会計のボーイに 何か言われたら 先に帰ったとだけ伝えてくれ。会計はあとで払いに来る。
彼女たちには済んでいると言ってくれ。
「さて、どこ行くか?」
「新橋」
学生のころ、お金がないと 仲間みんなで 新橋や日暮里の安い居酒屋で サラリーマンのおやじたちに交わり 飲み明かした。
「ヒルズとか言われなくて良かった」
康介は笑った。
「優。もっといいとこ選べよ。財布は心配いらねーよ」
「うん。ありがとう。でもほんとに新橋がいい」
2人はタクシーを拾うと新橋へ向かった。
「昨日ついたばかり。10日くらいしか居られないから…」
「何年ぶりだ?」
「多分2年は…会ってないと思う」
優は、青年海外協力隊の支援医師団で後進国の医療に志願している。
そもそも、2人が 別れる原因も 優とは そのことが 大きく関係していた。
医大生活を共に歩み その中で 恋愛に発展した。
康介が付き合ってきた 女たちの中で 唯一 「自分」の先にある 「愛恵」の存在のことを口に出さなかったのは、彼女だけかもしれない。
年に何度か 葉書や手紙が届く。
彼はそれらを見る度に 彼女の無事を確認して 安心した。
「相変わらずみたいだな」
彼女の手には アクセサリー類が一つもついていなかった。
「康介もみたいだね」
康介は、忙しくて 結婚なんかしても 離婚されちまう。と笑った。
「一人?」
「いや。…」
康介は、後を振り返る。
2人は相変わらず盛り上がっているようだ。
わざわざ 「帰る」なんて 野暮な事言わずに この場を出ても 問題なさそうだった。
「まあ。そんなかんじだ。…オマエは?」
「見ての通り」
「店、変えようか…」
康介は 優を連れ出すと 愛恵たちには何も言わずに店を出た。
会計のボーイに 何か言われたら 先に帰ったとだけ伝えてくれ。会計はあとで払いに来る。
彼女たちには済んでいると言ってくれ。
「さて、どこ行くか?」
「新橋」
学生のころ、お金がないと 仲間みんなで 新橋や日暮里の安い居酒屋で サラリーマンのおやじたちに交わり 飲み明かした。
「ヒルズとか言われなくて良かった」
康介は笑った。
「優。もっといいとこ選べよ。財布は心配いらねーよ」
「うん。ありがとう。でもほんとに新橋がいい」
2人はタクシーを拾うと新橋へ向かった。