そのままの君でいて
9時 少しまえには ジョーはクラブについていた。話をすると 店員が 少し待ってくれと言った。
すぐに 他の店員がジョーを迎えにくる。

地下三階まで エレベーターで移動した。

中へ通される。

「少しお待ちください」
10分後…
「ごめんごめん。客に捕まってた…」
オーナーの村岡だ。

村岡は名刺を出した。
クラブ ダイナース
代表取締役 村岡 正

「村岡と言います。ヨロシク」
「ジョー・サクストン・jr・及川です」
「長いなぁ」
村岡は笑った。

「ジョーでいいかな?」「イエスプリーズ」

「でわぁ。さっそく仕事について…」

条件をまとめると

時給2000円スタート
休みは週1~2で 21時~6時までが基本

キャシュインハンドだから 保険などはない

客がつけば その分はつけてくれる。

「どうかな?」
「十分です」

「交渉成立だ」
村岡は 期待していると 握手を求めた。

「いつから来ればいい?ですか?」

「君の予定に任せるよ。あ~そういえば住いは?」

「六本木診療所…」
「長谷川先生んとこか…うーん。これは君さえよけりゃだが、うちにも寮がある。良かったらつかえばいい」

「寮は少し考える。仕事は明日からでもだいじょぶです」


仕事の話が終わると 村岡は ボーイに 内線で飲みものを頼む。

すぐにビールが届く。

「どうぞ」
「あ~ありがとうございます」

「藤倉さんとはね、付き合いは長いんだけど、好んでこういう所には好んでこない人だからね。…」

村岡は、多分 どういう関係かを… 知りたがっているのだ。

「愛恵さんは、アメリカに来たときのトモダチです」

「藤倉さん、君のことすごく心配してるみたいだったから。…あまり詮索は良くないな。ここら辺でやめとくか」

彼は 笑って ビールを飲み込む。
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