無口なDarling+α
_______________________
「はぁ、猛・・・」
抱きしめあった安心感の残る胸元に顔を埋め、精一杯猛のぬくもりを受け止める。
「澄子・・・」
サラっと私の髪を撫でて、猛が私の髪に顔を埋める。
「なぁに?」
「絶対、今しか言えない事言うけどビビんなよ?」
「へ?うん」
猛の心臓の音がすごい早くなってる。
そっと猛の胸に手を当てると、自分と一つになってる気がする。
「・・・」
言うって言ったのになかなか話し出さない猛。
何か悪い事なのだろうか?
でも今までの経験上、そんな雰囲気ではない。
逆に・・・何か嬉しい事を言おうとしてる時かも。
「俺、離れたくねーよ」
一瞬聞き間違いかと思うほど、小さな声で呟く。
でもしっかり私の耳には届いたよ?
「猛・・・離れないよ?」
ギュと抱きしめる腕に力を入れる。
「すっげー・・・この何日間お前の事が頭から離れられなくて」
素肌が触れ合うのがとても心地いい。
猛が喋るたびに温かい息が私の髪を抜けていく。
「会えない日が重なっていく度に、お前の気持ちが離れてく気がした」
そんな、そんな事あるわけないのに!
「猛は?猛は気持ちが離れて行ったの?」
私がそう聞くと、びっくりしたように埋めていた顔を上げた。
「んな訳ねーだろ?そしたらこんな焦って旅行計画したりしねーだろ」
・・・焦ってた??猛が??
全然想像できなくて、思わずプっと笑ってしまった。