無口なDarling+α
「笑ってんじゃねーよ、こっちは今すっげー恥ずかしいんだからな」


恥ずかしいことなんて何にもないよ?こうやって猛が一生懸命気持ちを聞かせてくれて、私がどれだけ嬉しいか分かってる?


「・・・なぁ、・・・気持ち聞かせてくれよ」


弱弱しい猛の言葉に、収まった涙が溢れてくる。


でも、でもちゃんと言わなきゃ。


猛に私の気持ちも、我侭も・・・全部。


「私ね、寂しかったよ」


ポツリ、ポツリ、と話す私の言葉に黙って耳を傾けている。


「でも、お互い環境が変わって・・・忙しいのなんて当たり前で。特に猛の大学は頭の良い学校だったから」


身体にかけていたシーツでギュッと涙を拭く。


「受験の時に別れていて、猛は頑張ってて・・・また付き合いだしたときずっと一緒だからって言ってくれて・・・」


だんだん自分が何を言っているのかが分らなくなった。


「だから、寂しくても強くならなきゃって。大丈夫って言わなきゃって・・・思ったの」


「なんでだよ?寂しいって言えばいいだろ」


「また!不安になってるのが分ったら、距離を置こうって言われると思ったの!猛を信じてないって思われるって・・・っあ」


結局猛のせいにしてしまった・・・。


受験の時別れた事を責めていると思われちゃう。


「今のは違くてっ、そうゆう意味じゃ・・・」


「バカ」


怒っている思った猛の顔は、なんだかとても穏やかだった。


「だから思ってること聞かせろって言ってんだろーが。誰が俺に気を使って喋ろって言った?」


「でも、本当なの。猛を信用してないとかじゃなくて・・・ただ」


寂しいだけだったんだ。


「じゃあなんで連絡してこない?高校の時からの毎朝の電話は?」


「オヤスミってメールはどうした?」


それも全部、猛の重荷になりたくないって思ってた・・・。


「寂しいって言ってくれねーから余計寂しかったつーの。お前が言わねーから、会いにも行けねーし・・・」


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