無口なDarling+α
「えっと!今のは、その・・・妄想って言うかっ!」


ずっと心にあったこの世で一番の我侭が口に出てしまった。


猛のお嫁さんになるって夢。


「っき!気にしない「アハハっ」」


え・・・


いっ今の猛の笑い声?


目の前で目に涙溜めてクックって笑ってる。



「クッ、お前本当最高なヤツだな?」


そう言うと、上半身を起き上がらせて旅行カバンに手を伸ばした。


「本当は旅行先で渡そうと思ってたんだけど・・・」


「?」


チャリっと何かが私の頭の上に置かれた。


「クッ、結婚はちょっとまだ出来ねーからな?これで我慢して」


これ?


頭の上のものを手に取ると、視界が歪んでしまった。


「たけるぅ、これぇ・・・っ」


「お前に貰ったキーケースにも同じモノが付いてるからな?」


うわぁぁーーーんって、大叫びしたい位嬉しいよ。


だって、なんで?信じられない。


「これ、鍵でしょう?」


「隣駅から徒歩15分って所かな?オートロック付きの1DKアパート」


ちなみにユニットバスじゃねーよ?っと猛は冗談っぽく言った。


「届いてんのはー、ダブルベッドとエアコンと・・・」


淡々と話を進める猛。


「ちょ!ちょっと何?どういう事?」


猛が一人暮らしするって事じゃなくて・・・


「実は、この前お前の母親に会いに行ってさ?許可もらったんだよな」


「エー―!!??」


いっいつのまに??


たしかにママは猛に弱いけどっ!


「親父さんも、週に2回は帰ってくればいいってよ」


「ちょっとビックリなんだけど!私が不安だったこの何日間って何?」


「あのなー。俺は、欲しいものは力ずくで手に入れる主義なんだよ」


・・・それはよくしってるけどっ


「お前のことは離さない。絶対に。って訳で俺の目の届く範囲にいさせる事に決めた。以上」

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