無口なDarling+α
「やーっと!やっと片付いたっ」
「だな」
引越し当日、私の荷物はそんなに無かったのですぐに片付いた。
新しい部屋を見渡すと、ここで猛と生活していくんだと言う実感がわいてくる。
猛の部屋に置いてあったオシャレなコンポ。
その上には私の部屋に置いてあった、大好きなぬいぐるみ。
猛の生活品と、私の生活品が混ざっているこの部屋・・・。
「素敵な部屋だね、猛」
最寄り駅からアパートへの道のりは、大型スーパーやコンビニ、小学校などがあるのでとても安心できる道だった。
一つ一つに、猛の愛情を感じる気がして胸がキュンとする。
猛の部屋から持ってきた物が多いので、猛に包まれてる気がする。
私の言葉になんの返事も無かったけど、ギュッと繋いだ手の力が強まった。
「これから、ずっと一緒だよね?猛」
猛と一緒に暮らす日が来るなんて・・・。
そりゃあ、高校の時から“同棲”って物に興味はあった。
もちろんいつかは絶対したいと思っていたけど、まさかそれが今日から叶うなんて。
「幸せで、また涙でちゃう」
そう言うと、猛がポンポンっと頭を撫でてくれる。
そのまま私の頭に顎を乗せるように抱きしめてくれる。
「なんか、あんま実感できねーけど、これから毎日一緒なんだよな」
しみじみそう言う猛。
「何よー!もしかして嫌になったとか!?」
「嫌つーか・・・体力持つかの方の心配」
猛の言葉にボン!っと顔が熱くなる。
そっそれって、それって・・・
やっぱり毎日、なの!?
同棲ってそう言うものなのかな??