無口なDarling+α

一人でアワワと妄想していると、横から噴出す声が聞こえる。


「なーに、想像してニヤニヤしてんだ。このエロ」


なっ!猛だけにはそんな事言われたないー!


「俺は、お前の我侭に付いていける体力の事を言ってたんだけど?」


勝ち誇ったような猛の笑顔に、私は全敗の旗をあげる。


「それとも何?毎日、してもいいのか?」


「やっ!それはダメ!」


真っ赤な顔で返事をしても、猛はニヤニヤって笑うだけ。


「まっとりあえず飯でも食うか?」


こんな風に、生活を共にしていく会話がこんなにも嬉しい。


「うん!私お料理は得意だからっ」


高校時代毎日のように猛にお弁当を作っていたおかげで、料理の腕は見事に上がったんだ。


「・・・」


「どうした?」


キッチンに立って、料理を始める前に猛の姿をチラッと見ると猛と目が合った。


新しく買ったソファーにくつろぐように座る猛をじっと見つめる。


「ううん、何でもないよ。大丈夫」


そう答えると、猛が眉間にしわをよせる。


「大丈夫って、言わせねーって言っただろ」


「あっ・・・」


・・・


「何?何か言いたいのか?」


「猛?さっきも言ったけど、私幸せだよ」


寂しいと思っていた事を、好きな人が気づいてくれて、


強がらなくていいよと言ってくれて、


こんな風に毎日一緒にいられる事になって・・・。


強がりは、猛を好きな恋心からくるものだったけど、


今では素直に猛に気持ちを伝える事が大切だって教えてくれた。


「本当に、幸せだよ・・・。ありがとう猛」


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