無口なDarling+α

「澄子?明日・・・」


大学生になって、気分転換に変えたベッドの位置。


入学祝いに買ってもらったテレビが良く見える位置に変えたんだ。


そのベッドの上に座りながら、愛しい人との電話中。


「うん、学校終わったら駅で待ち合わせね」


違う大学へ通う私達は、もう昔のように毎日一緒に帰ったりする事が出来ない。


特に猛の大学は頭の良い大学だから、レポートだの実験だのって忙しい。


それにお互いにサークルにも入ってるし、アルバイトもし始めた。


だから明日のデートは実は久しぶりだったりする。


「おー」


猛の声に眠気が感じられると、すっごく寂しい気持ちになる。


「じゃあ、おやすみ」


ピッと電話を切り、携帯を置くとポフっと後ろに倒れる。





最近猛は毎日電話をくれる。


特に内容なんてなくて、短いときは一分も話さないうちにバイバイしたり。


それでも猛が会えない事を気遣って、電話してくれるんだって事も分かってる。



だけど・・・


「寂しいよぉ・・・」


声だけじゃ全然足りない。


毎日どんな風に生活をして、


私のことをどれだけ思い出してくれているだろう?


会いたい、会いたい、会いたい。


最近の私は、そればっかりだった。





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