無口なDarling+α


“忙しいの?”


なんだかこれじゃあ会えない事を責めてるみたい。


“最近なんかあった?”


漠然とした質問過ぎる。






“私の事好き?”


っておかしいでしょ!!


ブンブンっと頭を振る。


もっと気の聞いた言葉を・・・



「・・・」



そんな風に考えていると、なんだか懐かしくなった。


昔、猛と付き合いだしたときもこんな風に考えたっけ。


無口な猛が笑ってくれるように一生懸命話したっけ。


家族の話や友人の話、昨日見たテレビに今好きな芸能人の話。


それで、猛が微笑んでくれたりするとすっごい嬉しくて。


「澄子さ、」


ボーっとそんなことを考えていると、猛が話し出した。


「もしかして怒ってんの?」


思いがけない質問に少し驚く。



あの猛が少し控えめに私の機嫌を尋ねるなんて。


「え、なんで?」




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