無口なDarling+α
「なんだよそんなこと?そんなに意気込まなくても普通にいいに決まってんだろ?」
呆れた、っと言いながらコーヒーの中の小さい氷を噛みくだく。
「あのね、その‥‥」
「あ?まだなんかあんの?」
不思議そうに私を見つめる優しい目。
その目を前にすると言いにくい。
「旅行は、旅行でも・・」
この一言を言ったら、猛は絶対不機嫌になってイヤだと言うの分かってるから。
分かってはいるけど!
「二人じゃなくて、」
「は?」
その一言だけで、優しかった猛の顔が歪みを見せた。
私の言いたいことが分かったんだろう。
猛の内面を知らなかったら、怖くて近づけないだろうな。
最近は穏やかな猛しか見てなかったから、こんな不機嫌そうな怖い顔は久しぶりだ。
まぁこの冷めた顔に一目惚れしたのも事実だけど・・・。
「その、」
「うぜーよ。聞かね」
あぁぁ。
こう不機嫌になると、機嫌を直すの大変なんだよね。。
「猛ー」
「知らねーよ」
イライラしたのか本日初めてのタバコを口にくわえた。