無口なDarling+α
事の始まりは高校時代からの親友である千代の一言だった。
千代は、長く付き合っていた彼氏さんと遠距離恋愛になってしまった。
色々問題はあったけど、最近は落ちついたらしい。
そんな千代が、言い出した一言。
それは・・・
「スグル君がいる九州にみんなで遊びに行こうよ!」
と言うことだった。
もちろん千代一人で行けば良いのでは?っとも思ったけど、
お互い長く付き合っているわけだし、紹介し合うのも悪くないと思った。
「しかも旅行できるし!」
一石二鳥じゃん!
って思ったのもつかの間。
頭によぎるのは人見知りの性格の猛。
「簡単にいいよとは言わないだろーなー」
「?スグル君はすっごい楽しみにしてるよ?」
まるで何が悪いの?って顔をする千代。
そりゃああれだけ社交的で優しいスグル先輩と付き合ってれば理解不能な事でしょう!
だけど私の愛しい愛しいダーリンは、
かなりの人見知りで頑固なのだ。
人に壁を作って、距離を置こうとするんだよね。
「澄子ファイト!楽しい思い出作ろー!」
何も知らない親友は、もはややる気満々で断られるのは選択肢には無いらしい。
「うん!ちょっと頑張ってみるね!」
最近の猛なら・・・
大丈夫かも、っと思った私は間違いだったのかもしれない。