無口なDarling+α

「・・・」

どんなに猛を見つめても絡み合わない視線。

ズズズと意味もなく空のコップをストローで吸い上げる。

旅行に行こうって言った時、すごく嬉しそうにしてくれたのに・・・。


やっぱり最近猛が優しいから、調子に乗っちゃったのかも。

もともと人見知りをする性格は良く知ってるのに、苦手なことをしろって言われたら誰だって怒るよね。


「猛、ごめんなさい。私無神経だったよね」

ボソリボソリと話始めると、こっちは見てなくても話を聞いてくれていることは分かる。


「猛、初対面の人とかと話すのすごい苦手だって私しってたのに・・・ましてや旅行なんて」


ごめんなさい、と頭を下げると大好きな温かくて大きな手が頭を優しく撫でた。

< 69 / 97 >

この作品をシェア

pagetop