無口なDarling+α

「嘘つくか」


「学校は?レポートとか・・・」


そう言うと、猛がムニっと私の頬をつねる。


「ヒタイ!ヒタイ!」


「行きたくないのか?あ?」


「ヒキタヒ!ヒキタヒデフ!(行きたいです!)」


よしっと微笑む猛。


幸せじゃん、私。


会えないって言ったってこんなに近くにいるじゃない。


なに贅沢言ってたんだろう。


猛は私が寂しいからって、こんな風に計画までしてくれて・・・。


「だから、泣くなって」


今度はうれし泣きだよ、猛・・・


「金曜日の夜に出よう」


「うん!色々買い物とかいかなきゃー!」


ルンルンと猛の肩に顔を埋めて、喋る。


「買うのは勝負下着だろ?」


「バカ!」


こんな風に自然に会話できてる。


こんな風に一緒にいるだけで楽しい。


早く、もっと強くならなきゃ。


寂しいと思わない人間にならなきゃ。


こんな風に楽しい日があるんだから、寂しいなんて思っちゃだめなんだから。


「超楽しみぃ」


「・・・ごめんな、なかなかどこも連れてってやれなくて」


猛・・・


「だから!大丈夫なの!」


ちょっと会えないくらいで、弱音を吐く女じゃ無いんだからっ!


「ん」


そんな風に悲しい笑顔なんか見せないで。


「猛が好きだから、大丈夫だよ」



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