ボクじゃダメですか…

私は完全に不利だった

最も苦手な上司からの誘い

断っても断っても誘ってきたのはこの春から移動してきた西野先生


『そろそろいいんじゃない?』

『今日は予定がありまして』

『男いないって聞いたぞ?』


これはセクハラ

それともパワハラ?

そんな面倒な言葉すら使ったことなかった


至近距離で話しかける西野の前で動けずにいると


『せんぱ~い!探しましたよ~遅刻ですよ、もう!!』


遠慮なくドアを開けたのは後輩の由依だった


『なんだね、君は!』

『覚えてくださいよ~由依です、横田由依』


上司を上司と思わないマイペースな態度に呆気にとられていた

そして難なく上司から逃れた私は

後輩の由依の隣の席に座ることになった









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