ボクじゃダメですか…
上手く話せない私の代わりに由依は《合コン用》の藤井亜矢を作り上げた
テーブルに並ぶお酒も
豪華な食事も美味しくなかった...
とにかく帰りたい気持ちでいっぱいだった私は
テラスに出てベンチに座っていた
『星...綺麗ですね、明日はいい天気ですね』
漫画みたいなセリフが耳に飛び込んできた
『そうですね...』
あまり関わりたくなくて顔も見ずに返事をした
『隣...座っていいですか?』
返事をする前に漫画セリフの子は隣に座った
『退屈ですか?』
『はい...あ、いいえ...』
『あはははっ...正直ですね』
高い声で笑った漫画セリフの子は私の顔を覗き込んできた
『やっと目が合いましたね』