時間
「よいお年をー。」
「うん、愛梨もよいお年を!」
そう言って手を振り合い、ユカと亜希と別れた。
学期末試験も無事に終わり、明日から冬休みとなった。
塾も休みだから、今日はおばあちゃんのお見舞いに行くつもりだ。
「それにしても寒いな……。」
私は手にハーッと息を吹きかけながら、病院へと向かった。
「……おばあちゃん、来たよ。」
1時間後、ようやく病院に着き、病室に入る。
おばあちゃんは眠っているようだった。
私は、ベッドの側にあった椅子に座り、おばあちゃんの顔を眺める。
しわくちゃな顔をしているなぁ、と思った。
おばあちゃんって、こんなにしわしわだっけ……。
私が小さい頃は、いつも小綺麗にしていたおばあちゃん。
いつの間にこんなに年を取ったのだろうか……。
「ん……。」
しばらくして、おばあちゃんが目を覚ました。
「あ……あ、い……。」
私に気付き、目を見ながら、何か言おうとしている。
「え、何?水?」
「あ……い……。」
「え?何?」
聞き取りにくくて、私はおばあちゃんの口元に耳を近付けた。
「あ……あ、いちゃ……いつも、お見舞い来てくれて……ありがとう……ねぇ……。」
「え……。」
すごく小さい声だったけど、おばあちゃんは確かにそう言った。
「おば……あちゃんは、愛ちゃんみたいな、優しい孫を持てて……嬉しい、よ……。」
「おばあちゃん、何言ってるの……?」
「愛、ちゃんに出会えて……おばあちゃんは、幸せで……最高の人生だったよ……。」
おばあちゃんは、微笑みながらそう言った。
すごく、しわくちゃな笑顔で。
涙を堪え切れなくて、私は思わず病院を飛び出した。
おばあちゃん、こんな私に何でそんなことが言えるの?
このとき、私はやっと分かった。
おばあちゃんが検査入院をすると聞いてから、なぜモヤッとしていたのか。
それは、罪悪感だ。
そして、お見舞いは罪滅ぼしのつもりだったのだと。
「おばあちゃん……。」
おばあちゃん、冷たい態度を取ったりして、本当にごめんね……。
「うん、愛梨もよいお年を!」
そう言って手を振り合い、ユカと亜希と別れた。
学期末試験も無事に終わり、明日から冬休みとなった。
塾も休みだから、今日はおばあちゃんのお見舞いに行くつもりだ。
「それにしても寒いな……。」
私は手にハーッと息を吹きかけながら、病院へと向かった。
「……おばあちゃん、来たよ。」
1時間後、ようやく病院に着き、病室に入る。
おばあちゃんは眠っているようだった。
私は、ベッドの側にあった椅子に座り、おばあちゃんの顔を眺める。
しわくちゃな顔をしているなぁ、と思った。
おばあちゃんって、こんなにしわしわだっけ……。
私が小さい頃は、いつも小綺麗にしていたおばあちゃん。
いつの間にこんなに年を取ったのだろうか……。
「ん……。」
しばらくして、おばあちゃんが目を覚ました。
「あ……あ、い……。」
私に気付き、目を見ながら、何か言おうとしている。
「え、何?水?」
「あ……い……。」
「え?何?」
聞き取りにくくて、私はおばあちゃんの口元に耳を近付けた。
「あ……あ、いちゃ……いつも、お見舞い来てくれて……ありがとう……ねぇ……。」
「え……。」
すごく小さい声だったけど、おばあちゃんは確かにそう言った。
「おば……あちゃんは、愛ちゃんみたいな、優しい孫を持てて……嬉しい、よ……。」
「おばあちゃん、何言ってるの……?」
「愛、ちゃんに出会えて……おばあちゃんは、幸せで……最高の人生だったよ……。」
おばあちゃんは、微笑みながらそう言った。
すごく、しわくちゃな笑顔で。
涙を堪え切れなくて、私は思わず病院を飛び出した。
おばあちゃん、こんな私に何でそんなことが言えるの?
このとき、私はやっと分かった。
おばあちゃんが検査入院をすると聞いてから、なぜモヤッとしていたのか。
それは、罪悪感だ。
そして、お見舞いは罪滅ぼしのつもりだったのだと。
「おばあちゃん……。」
おばあちゃん、冷たい態度を取ったりして、本当にごめんね……。