超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】

 あー、そうか。

 私は朝のホームルームでの自己紹介で園森の名前を知ったけど、園森は私を知らないんだった……。

 名前も知らない人間のところに来て紅茶を飲むって……

 どんな神経してんだろ。

 まあ何にせよ、自己紹介はしておかなきゃね。

 私は二杯目のストロベリーティーを園森の前に置いた。


「……中等部一年八組、文芸部所属、桜庭 塔子(さくらば とうこ)だよ」

「ふーん、桜庭 塔子か。良い名前じゃん?」


 感心するように目を瞬かせながら紅茶を啜る園森。


「で、持ってる能力は?」

「え?」


ドキッと心臓が跳ねる。


「一般的な超能力以外になんかあるんだろ?
 ちなみにあたしは雷が出せる」


 園森がえいっと人差し指を前に出すと、指先にパチッと小さな稲妻が出た。

 
 ―――やっぱりそこも私と同じ。完全にお見通しみたい。


「植物の急成長、ってとこかな。それっ!」

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