超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
テーブルに置かれた一輪挿しの花に向かって、指揮者がタクトを振るように手を動かす。
少し萎れていたのが段々潤いを戻していき、最後にはぱあっと花弁が開いた。
「おー!すっげえ!」
パチパチと拍手する園森。
「君も大概でしょ」
「自分で言うのもナンだけど、ま、そーだな」
ニヒヒっと、園森は愉快そうに笑った。
……人が心から笑うとこ、久しぶりに見た気がする。
もしかしたら私、この子とだったら……
「ねぇ、園森」
「何?」
「あ、あのね……もし良かったら、私と……」
ガシャアアアアアン!!!
「「!!?」」
この部屋じゃないどこかから、何かが割れる音がした。
何かあったのかな?