超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
割れてしまった壺
「音がしたのって、ここからで合ってるよな?」
園森が止まったのは、学園長室の前だった。
中から数人が喧嘩をして騒いでるような声がする。
おそらくここで間違いない。
「うん。多分ここで合ってるよ」
「そいじゃ、しっつれーしまーす」
クッションから私を降ろしてから、自分も降りた園森は、ノックもせずに部屋に入った。
「え、ちょ、入っちゃうの?!」
「あ?じゃ、おめーは何のために来たんだよ」
(あんたに無理やり連れて来られたんでしょうが!!)
頭の中で意思を強く送ると、園森が顔を顰めてこめかみを抑えた。
テレパシーだ。久々に使ったけど、痛くなるくらい上手く伝わったみたい。
「だ、誰だ?!」
広々とした学園長室の中心で、校長先生が振り向いて怒鳴った。
中にいる男女の若い教師に向かって怒ってるようだ。丸い顔がタコみたいに赤くなってる。