超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
「中等部一年、園森 良美でーす」
「お、同じく、桜庭 塔子です!」
とりあえず便乗して名乗る。
「なんかうるせー音がしたので、何かあったのかと思って来ましたー」
「そ、それにしては来るのが早くないか?桜庭さんたちは文芸部室に居たんだろう?
―――というか、今は授業中だろう?!桜庭さんはともかく、園森さんは教室へ戻った方が良いんじゃないのかい?」
「細かい事は気にすんなよ、学園長せんせー。
あたしたち超能力者だもん、能力使っちゃえばここまで来るのにそんなに時間なんてかかんねーですよ」
「は?!」
……学園長先生は、私が超能力者であることを知らない。園森と違って私はそれを隠してるから。
でも、転校してきたばかりの園森のことは、学園長先生は今の反応からしておそらく知らない。
思わず私は、右隣に立つ馬鹿に肘鉄砲を食らわせて、小声で叱った。
「いってぇ!何すんだよ!」
「ちょっと!馬鹿じゃないの!なんで公に話しちゃうの!」
「いーじゃねーか。あたしたちの個性なんだからよ!その個性を悪く言う奴のが悪ぃんだから、気にすることじゃねえじゃん」
間違ってはいないんだけど、なんだか癪だ。