超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
「え、何?せんせーたちが壺を割ったって疑われてんの?」
「そうなのよ!私達、学園長室に繋がってる隣の教室にいただけなのにー!」
浜宮先生が、拳を握って子供みたいに憤慨する。
活発そうなショートヘアが揺れて、なんか可愛い。
「学園長せんせー、入ったばっかの先生二人をまだ信用し切れないのはなんとなく分かるけどさ、一旦ここは色々と調べてから疑った方がいいんじゃねーですか?」
「……た、確かにやったという証拠もないのに近くにいたというだけで疑ってしまったな……園森さんの言うとおりだ。先生方、すまない」
学園長先生が二人の先生に向けて、ペコリと軽く頭を下げる。
「さーて、桜庭、始めよーぜ。あ、先生達は仕事に戻るなりなんなりしていいぜ」
「は?何を?」
「何って、あたし達で壺を割った犯人を見つけんだよ」
「はあ?!」
何言ってんだ、この娘は?
開いた口が塞がらない私を尻目に、園森はパーカーのポケットから白い手袋を出し、キュッと細い手にはめる。
よく刑事ドラマや推理小説で鑑識さんとかが付けてるアレと同じものだ。
なんで持ってるんだろう……