超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
「園森、もしかしてマインドコントロールやってる?」
「……はっはっはー☆」
青空がよく見える窓に向かい、腰に手を当てて『今日もええ天気やな~』みたいに豪快に笑う園森。
こいつ……笑ってごまかした。当たりだわ。
「あれ?」
私は奇妙な光景を目にした。
学園長先生の机の上に、割れた壺の破片が少し散らばっている。
さっき聞いたあの音は、高い場所から落ちて割れた音。それに、殆どの破片が机の前の床に落ちていたから、机から床に壺は落ちたはず。
だから、机の上に破片があるはずないのに……
「ねぇ、ちょっと、園森―――」
振り向くと、園森が一番下の棚の奥の金庫に手を伸ばして何やらゴソゴソしてた。
「金品は盗まれてねーし、ピッキングの跡もねーな……」
「あ゛ーーー!園森!金庫開けちゃ駄目でしょ!!」
「馬鹿、さすがにあたしもそこまでしてねーよ!透視したんだよ!何のための超能力だ!」
よく見たら、園森の左眼が赤くなってる。