超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
なんだ。びっくりした。
というか、超能力は少なくとも事件の捜査するためだけにあるわけじゃないと思う。
「で?そっちは何かあったのか?」
「あ、あのね……」
私はさっき気付いたことを園森に話した。
「ふーん?なるほどなー。あたしも見つけたぜ、妙なこと」
園森が机に軽く寄りかかって、机の上の本棚をちょんちょんと指差す。
「机の上に本と一緒に立てられてた、初等部のテスト問題用紙と模範解答がなくなってるんだ。変なスペースあるし、並び的にここにあると思うんだけど」
「え?それ壺と関係無くない?」
「いや、壺が割れる前はあったはずらしい。今隣の教室で仕事してる学園長せんせーが言ってた」
「……壺が割れた後、誰かが持ってったってこと?」
「そーゆーことだな」
おかしい。壺が割れた後は学園長先生達がすぐに隣の教室から駆けつけたし、私達も数秒で飛んで行った。
窓辺には、学園長先生の奥様の趣味で大小様々な人形がずらっと窓を守るように鎮座してるから、出るのは無理。出られたとしても人形が最低一つか二つ落ちてるはず。
逃げられるわけがない!