超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
親指を立ててくるりとこっちを振り返る園森。
誰がどう見ても馬鹿としか言いようのないポーズだ。
「いぇす!じゃないわ!なんで?」
「あれ、見てみ?」
「あれってどれ?」
「ほら、あれだってば」
「だから、どれなの?」
「目の前、真っ直ぐ見てみろよ!」
「真っ直ぐ?ん?初等部の校舎?」
「だーかーら!初等部の廊下に低学年くらいの男子がいるだろっての!」
「もー!キレるんだったら最初からもったいぶらずに口で説明してよ!」
面倒くさい茶番劇は置いといて……
園森の言う通り、授業が始まってるはずなのに、教室にいないで窓から目だけ出してこちらをこっそり見てる男子が二人いる。
私と目が合うと、さっと引っ込んでしまった。
「多分、そこの一年三組の生徒だな。自習してるからこっそり抜け出せたんだろ」
初等部の校舎を見つめる左眼が赤い。また透視したのか。
無闇に能力を使わないほうが良いと言おう思ったんだけど、彼女なら多分、言っても聞かないだろうからやめた。