超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
こんなもんかな。
私はシャーペンをジャケットの胸ポケットにしまいながら、園森に書いたメモを見せる。
「おー、いいんじゃね?まぁまぁ良くまとまってると思う」
「そりゃどーも。で、この後どうするの?もう調べられる事は無いと思うけど」
「あぁ、もう調べるのは終わりにするよ」
「そう?じゃ、この手袋は返すね。私は文芸部室に戻るよ。結局犯人分からず終いだし、園森も教室戻ったら?」
手袋を外して、園森に手渡す。
探偵ごっこは楽しかったけど、正直内心ヒヤヒヤしてた。
終わると思うと、ちょっと嬉しい気持ちと残念な気持ちが混ざる。
「……おい、犯人が分からず終いって、誰が言った?」
手袋を渡そうとした手をガシッと掴み、園森が私の目を見つめる。
左眼は赤く染まってないけど、染まった時と同じような、真剣な目をしてた。
「え?……その言い方、もしかして……」
「あたしは分かったぜ?壺割った奴」
「!!」