超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
「なんで初等部の一年三組に行くのよ?」
「だから確認だってばよ」
「だから、なんの!?」
結局理由をうやむやにしたまま、園森と私は初等部の一年三組へ向かった。
両手をパーカージャケットのポケットに突っ込んで、ツカツカと早足で歩く園森と、それを追いかける私。
そんな二人が授業をサボって歩いてる姿は、凄く目立つ。
初等部の先生方にジロジロ見られてて、もう帰りたい気分だけど、犯人を知りたい気持ちが勝って、逃げるようなことは出来なかった。
授業終了まであと二十分くらいある。
ちょっと授業を邪魔しちゃう形になっちゃうけど、生徒は全員教室にいるはずだからゆっくり話を聞くことができる。
一年三組の教室に着くと、コンコンコンと軽く三回ノックしてから私がガラリとドアを開けた。
園森にやらせたら、足で開けそうだから。
「しっつれぇーしゃーす!」
「ごめんね、教室入るよー」
ビクッと驚いた顔が、一斉に私達を見つめる。
一年三組の担任は準備室で待機してもらってる浜宮先生だから、自習してたらしい。
……まぁ、普通そういうリアクションするよね。うん。