超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
いきなり中学生二人が入ってきたら、びっくりするよ。
私は落ち着いて、教壇の前に立った。
気分は小学校の先生だ。
「こんにちは!授業邪魔しちゃってごめんねー?ちょっと私達、君たちにお話があるんだけど、良いかな?」
「「「「「いーですよー!」」」」」
優しい口調で言うと、全員元気な笑顔が帰って来た。
さっき園森が優しい笑顔を作っとけって言ってたのは、この為だったのか。
今日で何度目かのため息をついた時。
一つ、空席を見つけた。
机の上の計算ドリルは開いて置いてあるから、欠席ではないはず。
この席の子は、どこに行ったんだろ?
「ねぇ、そこの席の子って、誰かな?」
一瞬の沈黙の後、教壇の真ん前の席のキノコみたいなおかっぱ頭の女の子が手を挙げて立ち上がった。
学級委員長らしい。左腕にバッチがついてる。
「その席の子は、谷田貝 空(やたがい そら)くんです!」
「そっかー、空くんは、今どこにいるの?」
「え、えっと……トイレ、です」