超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
「ええ、何でも、前の学校で問題起こしちゃったみたいで……塔子ちゃんだったら、落ち着きがあるし、あの子を抑えられるかな~なんて……」
「つまり、毒を以って毒を制する。問題児は問題児がどうにかできるだろうという事ですね?」
「そっ、そういう訳じゃ……!」
「まぁ、良いですよ。顔だけでも見たほうが良いですからね。」
顔を見るだけだったらいいや。
この時期の転校生というのもちょっと気になる。
こういう『謎』は私の好物だし。
ドアを開けて廊下に出ると、葛城先生がニコニコと立っていた。
歳は二十代半ばくらいで、モデルみたいな長身、濃い目の化粧、毛先をクルクル巻いた赤に近い茶髪、足首まで届きそうな長い白衣を纏っている。
当然だけど、入学式の時と変わらない容姿。
「さ、行きましょうか!」
私は葛城先生の一歩後ろを歩きながら、自分達の教室へ向かった。