超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
ちゃんと目線を合わせて、真剣な目ですぐ前の女の子に問いかける園森。
立っていた学級委員長らしい女の子は、ストンと座って、俯いてしまった。
「他に、空の居場所を知ってる奴は?」
……誰も答えない。
ふむ、と細い顎をつまんで一瞬考えてから、園森は再び口を開いた。
「質問を変えよう。中等部にある学園長室の壺が割れたんだけど、理由知ってる奴いる?」
「「「「「!!」」」」」
(え?)
さっきとは違い、今度は全員隣の席の子に相談するように、ヒソヒソと小声で話し始めた。
……どういうこと?
やがて意を決したように、一番後ろの窓際の席の男の子がガタンと立ち上がった。
「ごめんなさい。僕、知ってます」
「ちょっと、竜太(りゅうた)くん?!」
近くの席の子たちが声の方向へ次々と振り返る。
「みんな、ほんとごめん!……でも、このままじゃ全部空くんが悪いことになっちゃうから……僕、空くんがこれ以上傷つくのはやだよ、ともだち、だし」