超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
苦しそうに、泣きそうになりながらも竜太くんは自分の意見をはっきり言った。
「……そうだよね。分かった。皆、ちゃんと言おう!」
うん、そうだね、と同意の声が波のように上がってくる。
さっきの学級委員長らしい女の子が、みんなを代表して、まっすぐに私達を大きい声で言った。
「お姉さん、私たち、ちゃんと言います」
「……ありがとな。今、ちょっと厄介なことが起こってるんだけど、それには空も関わってるから……ほんと、こっちも助かる」
園森が安堵の表情を浮かべると、女の子も安心したらしく、すぐに答えてくれた。
「空くんは、学園長室にいます」
「!!」
え?でも、人が隠れられるスペースなんて……いや、待てよ。
そういえば、私は『人が隠れられそうな場所』を『壺を盗もうとした大人の泥棒が隠れられそうな場所』と考えて探してたけど、よく考えたら小学一年生の小柄な男の子だったらあの部屋に入れるかもしれない。
「よく言ってくれたな」
園森は、その子の頭にぽんと手を置いてから、よく響く声で言った。