超能力者(エスパー)少女探偵団【ムーサ】
突然のお客様
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「ん!コレ美味い!何これすげぇ!」
取り敢えず、廊下で超能力についておおっぴらに話すわけにもいかないから、園森を部室に入れることにした。
入るやいなや、喉乾いた!と言い出すから、紅茶を出すことにした。
予備のティーカップにたっぷりと注ぎ、園森の前に出すと、彼女はすぐにマナーをガン無視してかぶりと飲んで、びっくりしたように感想を叫んだ。
―――そういえば、誰かをこの部屋に入れてお茶を出すなんて初めてのことだな。
葛城先生は出入口前にはよく来るけど、中に入れたことはないし。
他の先生や生徒は、さっきも言った通り私の事なんてほったらかしだし。
はぁー……
なんで数分前に顔を合わせただけの転校生を招き入れたんだろう、私……。
同類とはいえ、さっきあったばかりの他人。
幼稚園以来、まともに人と会話したことが無いから、緊張と不安と苛立ちで頭がグルグルする。
そんな私の事なんてお構いなしに園森は私が淹れた紅茶が気に入ったのか、騒いでいる。