願い橋。【短編】
私はとっても大好きだった人にフラれたばかり。


相手は2つ上の先輩。


私の学校の部活の先輩でこの前偶然再会して付き合う事になった。


私は先輩にずっと片想いをしていたから、付き合えるってなった時はそれはもうとてつもなく嬉しかった。

この前偶然、先輩と女の人と仲良さそうに手を繋いで歩いる姿を見てしまった。

頭が真っ白になって、しばらくその場から動けなくなった。


あの女の人はただの友達。

何度自分に言い聞かせてみても不安は募るばかり。


これは私の勘違いなんだ。

そう信じたくて先輩の家に言って確かめてみたら
「あぁ?何だバレちゃったんだ。もう分かったでしょ?お前は遊びだったの。あっちが本命だから。」


そう投げ捨てるように吐き出し、目の前でドアをバンッと閉められた。


全てが音をたてて崩れていくのを感じた。


たった数ヵ月だけど先輩はいつだって私に優しくしてくれた。


これは何かの間違いだ。


そのドア一枚隔てた先に大好きだった先輩がいる。


なのに、ドア越しに先輩を呼んでも、何も反応は返ってこない。


たった一枚のドアがとてつもなく遠く感じた。



私は先輩に振られたんだ。

痛い程、実感させられた。


しかも、私は都合のいいように利用されたんだ。


私は一体先輩の何だったのだろう。
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