君しか知らない世界
「...だから、なんでそう楽しいことしか頭に入ってないんだよ。本当に愉快な脳ミソだな。羨ましいくらいに。」
最後の1文は嫌味っぽく、強調して言った。
「はあ?なんだと、このコミュ障が!」
俺の言葉に反応して、谷地が立ち上がった時、
「お?お前ら喧嘩かー???」
タイミングのいいこの男。
「リュウジン!」
「頼まれたゴミ袋持ってきたぞ〜」
「サンキュー。」
「で、2人は何喧嘩してんの?」
リュウジンが俺と谷地の顔を見比べて不思議そうにそう言った。
とは言っても、谷地が話を聞いてないから悪いんだが。
「カズマが、お前の脳ミソは愉快で羨ましいって言ったんだよ?神山〜!酷いよね?」
そう言ってリュウジンの背後に隠れ、顔だけ見えている。
そして、俺に向かって「べぇーっ」と舌を出してきた。
「それはカズマ悪いな〜」
「こいつ今回オリエンテーションの意味わかってないんだよ。俺もう1回説明すんの面倒くさいからリュウジン説明してやって?」