君しか知らない世界

リュウジンからゴミ袋を受け取ると、俺は集めた草をゴミ袋へと詰めた。


「お前また話聞いてなかったのか?仕方ねえな〜俺が教えてやるよ!...えー...と?」

(このクソ共が)

チッ、と舌打ちをしてしまった。その思いが行動にでてしまう所はまだ俺自身もコイツらを扱えていない証拠だ。


「一年同士の親睦を深めるのが例年の目的であったが、今年校長が新しくなったろ?」


あーたしかに、うんうん、谷地とリュウジンがつぶやく。


「その新しい校長がどうせなら、二、三年生も学生のうちに親睦を深めて学校生活を楽しんでもらおう!という考えのもと、俺たちは今ここにいるわけだ。」


「「へえ〜」」


聞いていたのかいなかったのかよく分からないがまあいい。


「わかったなら、早く草をむしれ。」

「えーカズマ扱い雑〜。」

「...」


「...えっ!?無視!!!?」


五月、もう暑い。

俺はこの暑苦しい二人のおかげでさらに暑いが、一本の大きな木が陰を作ってくれてるおかげでいくらか涼しく感じる。


風に揺れる木の葉の隙間から太陽のひかりが当たって、キラキラと輝いて見えた。
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