君しか知らない世界
「で、下の名前は?」
「...和真」
「へえ!カズマっていうんだ。じゃあ、カズマくんって呼ぶね!」
「...勝手にどうぞ。」
なんて、言ってみたけど女子に下の名前で呼ばれるなんて小学校、いや幼稚園以来かもしれない。
「カズマくんて、誕生日いつ?血液型は?好きな食べ物と嫌いな食べ物!あ、あと好きなタイプの女子!」
「...面接レベルに多い質問だな。」
「そんなことどうでもいいじゃん!教えてよ!」
そう言いながら、椅子をガタガタ揺らす姿はまるで欲しい物をねだる子供のようだ。
「えーっと、なんだっけ?」
「誕生日は!?いつ?」
「あー、そうだった。6月30日」
「へえー、そんな顔してるよ!血液型は?」
「待って!そんな顔してるってどんな顔?血液型はO型だよ。」
谷地は俺をびっくりした反応をみてクスクスと笑う。
「そんな顔はそんな顔!O型なんだ、あたしもO型〜!」
「なんかわかる気がする、谷地ってまんまO型っぽそう」
「何それ!?どういうことーーー!?」
谷地が目を見開いて言う。谷地はどちらかと言えば目がでかい方だと思う。いや、いい意味でね。