君しか知らない世界




「えーー、早速なんだがこのLHR中にクラス委員や、その他委員会のメンバーを決めたいと思う。クラス委員は男女1名ずつな!」


藤沢の声でみんながざわつき始めた。

正直、クラス委員なんて真面目な奴がやりたいって言い出すか、言い出さなかったら押し付ければいいだろって感じだった。


「んーーー、じゃあ、まず立候補!いるか?」



ざわついてた人たちも一瞬で静かになる。誰かやれよ、なんて思ってんだろうな〜俺を含めて。


「...困ったな〜。」


藤沢も明らかに困っている。まあ、ここで真面目な奴がクラスの人気者タイプが「俺がやるよ!」なんて言ってくれるだろうに。


「あ!じゃあ、あたしやります!!」


言ってくれた人がいた。俺の目の前の人だ。



「おー!谷地か。女子は谷地でいいかー?」


いいでーす、なんて声が所々で聞こえた後で

「じゃあ、谷地!誰か男子指名してくれ!一緒に仕事するんだ、話しやすいやつがいいだろ!」


これが1分後、俺にとってとても迷惑な話になっていた。

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