バゲット慕情
恋愛(キケン・ダーク)
完
0
- 作品番号
- 1215521
- 最終更新
- 2015/07/05
- 総文字数
- 19,998
- ページ数
- 53ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 69,326
- いいね数
- 0
- ランクイン履歴
-
総合71位(2015/06/10)
- ランクイン履歴
-
総合71位(2015/06/10)
「バゲットを焼いていただけませんか?」
それが、
まもなく店を辞めるアルバイト・華の
最初で最後のリクエストだった
パン屋“雨小路【レイン・レイン】”の
女主人・美智子は
巣立ってゆく華と
華への想いを隠した園田を
淡々と見つめている
※過去原稿
☆感謝御礼
Berry's cafeオススメに
選んでいただきました!
(2015/6/2- 1週間)
☆ご感想ありがとうございます
汐見 夏衛さま
和泉りんさま
高遠さま
☆レビューありがとうございます
汐見 夏衛さま
和泉りんさま
この作品のレビュー
五十の女が、自分の営むパン屋で働く若い二人を静かに見守る。 その視線の先に、時折映る自分自身の過去。 後悔も諦念もないわけではない。でも、そうした感傷に囚われるでもなく、捨ててしまうでもなく、 寄り添いながら生きる。 苦い過去を振り返りながら、それでも凛として顔を上げる姿が目に浮かびます。 そして、なんとも言えない余韻が残る最後が本当に素敵です。 しとしとと降る雨を窓の内側から眺めているような感傷。それでいてどこか清々しい。 そんな素敵な雰囲気の作品でした。
これは純文学作品です。 簡潔で小粋な言い回しの文章、美しい情景描写、どこか他人事のような心理描写。 50ページ少しの短編ですが、読後には、シックでスマートなフランス映画を観た後のような感覚になりました。 人生の苦さを味わいつくしてきた五十女が、自分の店で働く若い二人ーー朴訥とした青年と、無表情な女子大生を見守りながら、 自分の過去を振り返る。 その脇にはいつも、美味しいパンとコーヒー。 無性にパンが食べたくなります。 とても素敵な小説です。コーヒーをお供に、ぜひぜひご一読を。
この作品の感想ノート
高遠さま
お読みいただき、ありがとうございます♪
料理の描写、楽しかったんです。
ちょっと敷居の高い居酒屋でおいしい料理をいただいたとき、せっせとメモを取っておいた甲斐がありました(笑)
何か印象的な食べ物・音楽・出来事に出会うたびにメモ帳を取り出すので、家族などから
「次は自分がネタにされるのか!?」
と戦々恐々とされています(゚▽゚;
パンの工程は、パン屋併設の喫茶店でバイトしていたころにチラチラ見ていた程度で、自分では作ったことがないんです。
『パンの図鑑』(毎日コミュニケーションズ刊)で全体的な基礎知識を勉強した後、ネットでフランスパン作りの成功談・失敗談を片っ端から読みました。
園田の手つきの描写はYouTubeのお世話になりました。
歴史系とSF系の作家には多い書き方ですが、私はとにかく資料で足場を固めた上で書いています。
だから、いつも説明が細かすぎるんです……「飛ばして読んでも、物語の進行には支障ありません」みたいなレベルで……。
1冊だけ出版していただいたものの、その後は鳴かず飛ばずです。
出版に至った本も、読み返してみたら恥ずかしいくらい稚拙です(´_`。)
再デビューを狙って数々の文学賞に応募しており、この『バゲット慕情』も合計3回落ちています。
「女性の感性を活かして書き、女性の感性に訴えかける小説」
という募集要項の賞には、かすりもせずに2連続落選しました。
私はどうやら「女性っぽさ」では勝負できないようなので、今は非常に男くさくて骨っぽい歴史小説でビシバシ鍛えてもらっています(笑)
高遠さんの作風は本当に丁寧できめ細やかで、その優しいタッチは私では出せないものだから、憧れます。
作品の更新、楽しみにしています(*^^*)
こちらへのコメント、ありがとうございました♪
こんばんは
どうしてこうも食べ物が美味しそうなんでしょう。菜の花や卯の花、角煮、私も一緒にお相伴したいと思って見ていました。
それからパンを作る工程がきっちり書き込まれていて、とてもリアルに作品に現実的な息遣いを吹き込んでいて凄いなと。さすが出版を経験された方は違う~と憧れの気持ちを持って見ていました。
私もパンを作ったりしますが、ほぼパン焼き器頼りです。ごくまれにベーグルとか。このあたりはキチンと勉強しなくては書けないですよね。ご自分で作った経験からだとしたら、お料理の腕前も尊敬してしまいます!
美智子さんの若い二人への視線が、程よい加減で美智子さんだからのスタンス。この先の二人のことも気になって気になって……うまくいって欲しいです。
和泉りんさま
お久しぶりです♪
ファンメ出してみてよかったです(笑)
素敵なレビューと嬉しいご感想、ありがとうございます!
この話を最初に書いたときは、平岩弓枝さんの『御宿かわせみ』シリーズ(江戸時代物の人情小説)にハマっていました。
平岩さんのしっとりと奥ゆかしい色気に憧れて、目指してみたんですが、私は根が武辺者で、なかなかうまくいかず……。
一生懸命に荒さを抑え込んでおります(^-^;
学生街ではバゲットがあまり売っていなくて、書きながら食べたくて仕方なかったので、けっこう探し回った記憶があります(笑)
お読みいただき、ありがとうございました♪
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