押してダメでも押しますけど?
土井社長の娘さんが帰ったのを確認すると、自然に応接室の方へと目がいった。


社長が太田川さんを受け入れたってどういう意味だろう?



自分には関係ないはずなのに、何だかモヤモヤするのをおさえられない。



「気になる?」


「ひゃあ!」



耳元で声がして、飛び上がった。


慌てて身を翻せば、そこにはやっぱり副社長。



「今日は『ひゃあ』か・・・。

 ホント、立川さんって面白い声が出るよね。次はどんな声が出るかな?」



「次なんてありません!!二度としないでください!!」



「えー、面白いのに・・・」


「面白くてもダメです!!

 それより、副社長!さっき私が逃げようとしたのを阻止しましたね!!

 危うく、巻き込まれるところだったじゃないですか!!」



「いいじゃない、巻き込まれなかったんだから。」


「・・・・そういう問題じゃありません。」


確かに、社長の発言で矛先が変わったため、私は巻き込まれなかった。


でも、それとこれとは話が別だ。



「さぁ、仕事しよ?」




まだまだ言いたい事はあったが、そう言われて、納得が行かないまま仕事戻った。




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