押してダメでも押しますけど?
社長の打ち合わせに同行して仕事がずれ込んだ私は、定時を3時間過ぎてもまだ社に残って仕事をしていた。
さすがに3時間も過ぎると他に残業している人も少ない。
私を誘った社長はその中に残っていた。
ただ仕事が残っているだけなのか、それとも私を待ってくれているのかは定かではない。
切りのいい所まで終えて、帰りの支度をする。
チラッと横目で社長を確認するも、社長は仕事に夢中でこちらの気配に気づく様子も無い。
一瞬、声を掛けようかと迷ったが、社長は仕事をしているのだし、邪魔をしてはいけないと思い直した。
「お疲れ様でした」
残業している人に声をかけ、社を後にする。
社長は、全く気づく気配がない。
そもそも社長は仕事に集中し始めると周りが全く見えなくなるのだ。
そんな時に邪魔をされるのを嫌う。
私は、社長にビルの前のカフェにいるということメールを打った。
今は21時をちょっと前。
仕方ない、明日も仕事だし、22時まで待って連絡が無かったら帰ろう。
そう決めて、コーヒーを買ってカフェの席に着いた。
スマホのゲームアプリを起動する。
うちの社が運営しているゲームアプリで、もうすぐ『魔法戦士リノア』とコラボするやつだ。
アプリのトッップ画面には『魔法戦士リノア』とのコラボの広告が表示されていて、思わず笑みが溢れた。
秘書の仕事もやりがいはあるが、今回のコラボの仕事は楽しかったし、良い経験にもなったと思う。
社長の秘書を外された時は、少しショックだったが、むしろ良かったのかも知れない。
そんな風に思えた。
「何見て笑ってんの?」
後ろから声をかけられて、驚いて振り返れば、社長が立っていた。
「しゃ、社長!」
何故か社長は不服そうだ。
「早かったですね」
不服そうな理由が全くわからず、とりあえず当たり障りの無いことを言うと、社長は不機嫌そう眉間に皺を寄せた。
「変な声出なかった。」
「え?」
「誠司が言ってた。立川さんは後ろから声をかけると変な声が出るって」
「なっ!」
人の居ないとこでどんな会話してんだ!!
「何がいけなかったのかな?」
「・・・・・」
そんなん知るわけない。
「まぁ、いいや。また今度リベンジするから。」
「・・・・・」
いや、しなくて良いです。
さすがに3時間も過ぎると他に残業している人も少ない。
私を誘った社長はその中に残っていた。
ただ仕事が残っているだけなのか、それとも私を待ってくれているのかは定かではない。
切りのいい所まで終えて、帰りの支度をする。
チラッと横目で社長を確認するも、社長は仕事に夢中でこちらの気配に気づく様子も無い。
一瞬、声を掛けようかと迷ったが、社長は仕事をしているのだし、邪魔をしてはいけないと思い直した。
「お疲れ様でした」
残業している人に声をかけ、社を後にする。
社長は、全く気づく気配がない。
そもそも社長は仕事に集中し始めると周りが全く見えなくなるのだ。
そんな時に邪魔をされるのを嫌う。
私は、社長にビルの前のカフェにいるということメールを打った。
今は21時をちょっと前。
仕方ない、明日も仕事だし、22時まで待って連絡が無かったら帰ろう。
そう決めて、コーヒーを買ってカフェの席に着いた。
スマホのゲームアプリを起動する。
うちの社が運営しているゲームアプリで、もうすぐ『魔法戦士リノア』とコラボするやつだ。
アプリのトッップ画面には『魔法戦士リノア』とのコラボの広告が表示されていて、思わず笑みが溢れた。
秘書の仕事もやりがいはあるが、今回のコラボの仕事は楽しかったし、良い経験にもなったと思う。
社長の秘書を外された時は、少しショックだったが、むしろ良かったのかも知れない。
そんな風に思えた。
「何見て笑ってんの?」
後ろから声をかけられて、驚いて振り返れば、社長が立っていた。
「しゃ、社長!」
何故か社長は不服そうだ。
「早かったですね」
不服そうな理由が全くわからず、とりあえず当たり障りの無いことを言うと、社長は不機嫌そう眉間に皺を寄せた。
「変な声出なかった。」
「え?」
「誠司が言ってた。立川さんは後ろから声をかけると変な声が出るって」
「なっ!」
人の居ないとこでどんな会話してんだ!!
「何がいけなかったのかな?」
「・・・・・」
そんなん知るわけない。
「まぁ、いいや。また今度リベンジするから。」
「・・・・・」
いや、しなくて良いです。