押してダメでも押しますけど?
「いや、あの、顔がっていうのは、顔色がってことだよ?
 
 別に、あかりの顔が不細工だとか、そういうことを言ってるんじゃないよ?」



どうしてこういう時は、フォローされればされるほど、深みにはまって行くのだろう。



慌てる社長を見ていると、自分の心が冷めて行くのが分かった。


心とは裏腹に、にっこりとした表情を作る。目まで笑えている自信はない。




「社長。」




「は、はい。」



「私、やっぱり体調が良くないみたいです。

 朝ご飯も、多分、昼ご飯もいりませんから、社長がお一人でお好きなものをお召し上がりください。」




「はい。すいません。」



「社長が謝る必要はありません。

 では、おやすみさい。」



「・・・おやすみなさい。」



私はわずか数分前に出たベットへと舞い戻った。




ふかふかベットにダイブする。



自分のベットじゃ出来ないが、このベットは難なく私を受け止めてくれた。



ベットに横になっていると、昨日のことで寝不足になっている自分が急にアホらしく思えた。



「ホント、アホくさ。寝よ。」


そう言って、布団にくるまる。




昨日の寝不足も手伝ってすぐに眠りについた。





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