未定
始まり
事の始まりは、叔母さん一家が私を置いて夜逃げしたのが発端。
私は生まれてすぐに母を亡くした。
もともと体の弱い女性だったらしく、私と引き換えに息を引き取った。
父も母を溺愛しており、一時期は私を堕ろそうと説得し続けたことがあると話してくれたこともある。
でも、仕事も忙しくめったに帰宅できない状況にもかかわらず
男手ひとつで私を育てようとしてくれた。
父の秘書や会社の方々にもお世話になった。
どうしても都合がつかないときは会社の社長室や秘書室にベビーベッドを置いて私をみんなで見てくれたらしい。
物心つくころにはほとんど社長専用の仮眠室で父と一緒に寝泊まりし、会社から幼稚園や小学校に通った。
中学に上がると同時に小さなアパートを借りてもらって
(といってもセキュリティが頑丈なところ。)
一人暮らしを始めた。