離してなんてあげねえよ

温もり




「美嵩…!!」


「湊……?」



私はゆっくり顔を上げた


「違う、俺は陽暮」



みてみると、心配そうにこちらを見ている陽暮がいた




「陽暮………あたし…」


陽暮に会った途端、湊の事を思い出して涙がまた溢れ出す



「美嵩…」


「め…目の前で……み…なとが…」



思い出す


鈍い音



携帯から響く叫び


愛の言葉




『好きだよ』


頭の中に残って



それまでの楽しみを打ち消すような



悲劇







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