白衣の王子様
始まり
-美穂side-
美)「 いちか〜 、疲れたね
今日もご苦労さんです 」
そう声をかけるも
いつもと顔色が少し違う乙華
乙)「 ん ? …美穂ちゃんも
お疲れ様 .. 」
いつもと違うんだよね、
何って言ったらいいのかな。
昔っからの友達だからさ
すぐ勘付いちゃうのよ(笑)
しかも前屈みだし姿勢おかしすぎでしょ
…
乙 ) 「 み っ ほ .... 、いったい .. ょ 」
美 ) 「 いちか … ? いちか !? 」
落ち着け自分 。
とりあえず病院だ病院。
って言ってもPM6:53 …
こんな時間空いてるとこあんのかな。
美 ) 「 喋んなくて良いから
後少し我慢してよ!」
そう声掛ければ乙華を抱き抱えて
車に乗せて発進させる。
乙華ってば本当華奢だな〜 。
昔から小さい順ではいっつも先頭で…
なんて思ってると赤信号。
あー赤信号ってこんな長かったっけ?
いつもの赤信号でさえ
長く感じてしまう。
まずは安全運転安全運転 、
分かってはいるんだけどね。
信号が変わった瞬間に
思いっきりアクセルを踏む。
横から聞こえる呻き声に
アクセルを踏む力が更に強まる。
美 )「 確か開いてたはず!!!!」
赤沢医院の看板を見れば
ギリPM7時までの診療に間に合うじゃん。
良かった〜、一安心。
美)「 いっか、行くよ?
前屈みでも良いから、
ゆっくり歩いてよ?」
おぼつかない足取りで
ゆっくりと医院へと向かう。
美)「 座ってて、受付してくるから 」
乙華を椅子に腰掛けさせて
受付と表示されてる場所へと向かう
が、辺りを見渡すも
受付の人はいない
そりゃそうか、もうPM7:04だもん。
4分過ぎたもんね…
帰っちゃうのも仕方ない。
でも診察室は明かり灯ってんだよねー。
…
…
コンコンッ
一か八かの勝負よ私!
頑張れ!なんて自分を励ましながら
【 内科 第一診察室 】
なんて書かれたドアを
ノックしてみる。
あー心臓ばくばく言ってるわ。
居るならさっさと返事してよね本当。