にんじんは甘い、ピーマンは苦い
次の日の昼だった

あれから、翠はずっとなつに付きっきりで

ずっと、ずっと手を握っていた

「…ん」

なつが目を覚ましたのは、丁度翠がトイレに行っている時で

その場に俺は居た

ナースコールをすぐに押して

「なつ!」

咄嗟に、なつを呼んだんだ


「…おに、ちゃん」


なつの口は、確実にそう動いた
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