にんじんは甘い、ピーマンは苦い
「なに、他にお嫁に行くの」

少し怒ったような翠は、こう続けた

「俺が夏菜をもらうって言わなかったっけ」

そう言った後、私をギュッと抱きしめた

顔に熱が集まる

きっと、翠から見たら、私の顔は真っ赤だろう

照れているのがバレバレだ

「い、いつの話よっ」

こうやってはぐらかしてしまう、私の悪い癖

「全く、素直じゃないな~」

楽しそうに笑うから、どう反応したらいいのかわからなくなる

しばらくすると、翠は私から離れた
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