ラヴ・ラヴァーズ・キス
プロローグ
彼は、本を読んでいる。
こんなところから私に見られているとも知らずに。
今日のスーツ姿もよく似合っていて素敵。
とはいえ、背が高くて足も長いから、何を着ても似合ってるんだけど。
顔も小さいし、華奢に見えるのに
腕まくりすると、結構筋肉がついていて、男らしい身体をしてるんだよね。
あの腕に
抱きしめられたら
あの唇に口付けされたら
伏せた長い睫毛をもっと目の前で見つめられたら
胸がぎゅっとして、体の芯がズクンと疼いて
私は俯いた。
電車が来るまでのほんの僅かな時間
この一瞬を楽しみに毎日頑張って働いてるみたいなものだ。
名前も知らない
向かいのホームにいる彼に
私
牟田瑞葉、27歳は、恋をしている。
こんなところから私に見られているとも知らずに。
今日のスーツ姿もよく似合っていて素敵。
とはいえ、背が高くて足も長いから、何を着ても似合ってるんだけど。
顔も小さいし、華奢に見えるのに
腕まくりすると、結構筋肉がついていて、男らしい身体をしてるんだよね。
あの腕に
抱きしめられたら
あの唇に口付けされたら
伏せた長い睫毛をもっと目の前で見つめられたら
胸がぎゅっとして、体の芯がズクンと疼いて
私は俯いた。
電車が来るまでのほんの僅かな時間
この一瞬を楽しみに毎日頑張って働いてるみたいなものだ。
名前も知らない
向かいのホームにいる彼に
私
牟田瑞葉、27歳は、恋をしている。